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2023/02/02
※2021年11月11日取材時点。
本日は、相馬市の紅葉スポットの一つ「愛宕山史跡」を紹介いたします。
この史跡には、「報徳仕法」「二宮御仕法」などで有名な二宮尊徳にまつわる史跡がある地です。
二宮尊徳のお墓や、当時の相馬藩における最高顧問で日光の僧である慈隆(じりゅう)という方のお墓と、彼が住んでいた金蔵院跡、二宮尊徳墓の遥拝所である地蔵堂など、二宮尊徳ゆかりのスポットが多くあり、総じて愛宕山史跡として整備されています。
そして、秋には紅葉の綺麗な場所として見物客が訪れるスポットでもあります。
御仕法とは?
相馬中村藩では、天明・天保のききんで農村が疲へいし、藩財政が窮ぼうしました。
そこで、農村を立て直し、藩財政を再建するために、二宮尊徳の教えに基づく「興国安民法」を導入することに。
「興国安民法」は、一般には「二宮仕法」あるいは「報徳仕法」などといわれ、相馬ではこれを「御仕法」と呼んでいます。
いつの間にか整備されていた専用駐車場へ車を止めて向かいます。
愛宕神社
総本社は京都にある愛宕神社ですが、防火神として信仰されている神様を祀っていることで有名です。
当社もまた、伊弉再尊(いざなぎのみこと)と火産霊尊(ほむすびのみこと)を祭神としています。
元和(げんな)8(1622)年、相馬中村藩初代藩主である「相馬利胤」によって、かつて藩の本拠地があった小高からこの地に建立し、ご神体を移しました。
また平成16年には、相馬市の文化財にも指定されている歴史深い神社です。
金蔵院(こんぞういん)跡
安政3年(1856年)、相馬藩の最高顧問として迎えられた日光の僧「慈隆(じりゅう)」が住んでいた場所だそうです。
彼はここで私塾を開いていたらしいのですが、最盛期の頃には寄宿で300名、通学で100名もの塾生がいたのだとか。
結構な人数ですね。どんなことを勉強していたのか気になります。
また、金蔵院跡には一時期、二宮尊徳の孫「尊親」が住んでいたこともある場所です。
ここにある東屋、学生時代の昼休み時間によく来ていたお気に入りの場所でもあります。
涼しくてとても落ち着きます。
雰囲気のある紅葉風景
このあたりが紅葉を楽しめるスポットです。
一面が真っ赤に染まった紅葉も素敵ですが、緑が混じった紅葉も好きですね。
日の光が差し込んできて、とても落ち着いた雰囲気のある場所です。
志賀直哉の祖父との関係
この愛宕山史跡、小説家の志賀直哉が書いた小説「祖父」に描かれる、「宇多川が直角に曲がる、岩上の庵室」の場所でもあります。
なんと志賀直哉の祖父である「直道」は、相馬中村藩主相馬家に仕えていたのですね。
ふだん通り慣れたこの宇多川が、小説の中にも登場していたのは知らなかったため驚きです。
「宇多川が直角に曲がる、岩上の庵室」…おそらくこの角度からみた情景でしょうか。
当時の道はどんな感じだったのかが気になります。
愛宕山史跡の方からも宇多川が望めます。
小説の情景を思い浮かべながら周辺を散策するのも良いかもしれません。
金蔵院観音堂
もともとは2棟ありましたが、現存する建物はコチラの1棟。
元禄16(1703)年、渡海安全を祈願し第22代藩主の相馬叙胤が建立したとされています。
ちなみに現存していない方の観音堂は、第19代藩主の相馬忠胤が建立したと伝わっています。
金蔵院地蔵堂
慶応2(1866)年、相馬藩が招いた米沢の名工・上杉主殿頭(とのものかみ)作の地蔵堂は、尊徳墓の遥拝所として墓に続く石段のたもとに建っています。
観音堂の脇から階段を登っていくと地蔵堂へ行くことができます。
二宮尊徳の墓
先ほどの金蔵院地蔵堂の横から石段を登っていった先にあります。
安政3(1856)年、尊徳が69歳のときに今市(栃木県日光市)で亡くなった翌年の安政4年、遺髪を埋めてこの墓が建てられました。
尊徳の戒名「誠明院功誉報徳中正居士」から、墓碑には「誠明先生墓」と記されています。
慈隆(じりゅう)の墓
安政3年(1856年)、相馬中村藩に招かれた日光の僧「慈隆」は、藩の指南役として御仕法のよき理解者であり事業の推進に大きな役割を果たしました。
明治5年に東京の相馬邸で亡くなると、金蔵院にて私塾を開いていた経緯もあってか、愛宕山にある二宮尊徳の墓の隣に葬られました。
愛宕山史跡は、春夏はあふれる緑、秋は紅葉、冬は雪と、四季折々の姿が御仕法にゆかりのあるこの地で、ゆったり紅葉を楽しんでみてはいかがでしょうか。
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愛宕山史跡・愛宕神社
住所:〒976-0041 福島県相馬市西山長谷堂(地図)
WEB :https://soma-kanko.jp/trip/atagoyama/
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※2021年11月11日取材時点。