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2022/12/28
2023/03/22
新地町にある曹洞宗の寺院「龍昌寺(りゅうしょうじ)」にやってきました。
新地城跡のふもとにある寺院で、慶安2年(1649)創建とされています。
本尊は聖観世音菩薩。
境内には、開基となる伊達政宗の孫・右近のお墓があります。
この寺院は、一般社団法人 東北お遍路プロジェクトがめぐる場所としてリストアップした中の一か所です。
本プロジェクトは、2011年3月11日に発生した東日本大震災によって被害を受けた福島県いわき市から青森県八戸市までの沿岸地域に、
慰霊と鎮魂の道を作ろうという考えから、2011年9月に発足しました。
2012年から「千年先までも語り継ぎたい津波の被災地」を公募。
2014年11月に公募した候補地から全63ヶ所のスポットを選出・発表しました。
福島県だけで見ると、うち32か所もあります。(2023年2月時点、公式サイト調べ)
さっそく境内を見てみます。
「さくら観音」などの観音像のほか、比較的広い敷地内に墓地などが点在します。
その一角に「釣師観音」という観音様がおりました。
観音様の周囲には、たくさんの墓石があります。
沿岸部にある釣師地区は、東日本大震災の大津波により全159世帯が流失し、大勢の住民が被害を受けました。
震災以前、お盆になると釣師地区では、迎え火・送り火が道の両脇にびっしりと並ぶのが風物詩となっていて、先祖を偲ぶ風習がある地域でした。
しかし、大切に守ってきた伝統は墓地とともに津波に押し流され、墓石も遺骨も散り散りとなってしまいます。
そこで、龍昌寺住職と釣師北畑墓地会、地域の方々が流出した102基ほぼすべての墓石を探し出して、この龍昌寺の境内に積み上げ集合墓地とし、
可能な限り探し当てた遺骨も納めて、中央に「釣師観音」様を祀りました。
釣師観音様は、そういった背景もあり慰霊のシンボルとしてこの地で見守ってくださっているとのことです。
なお、伝統として継承されてきたお盆の迎え火・送り火は、雁小屋防災集団移転団地をはじめ、釣師地区の住民の移転先で灯されているといいます。
とても大変な作業だったと思いますが、こうして墓石やお骨などを探し出していただけるのはありがたいことです。
先祖の皆さんが少しでも安らげるように…という温かい思いがこもっているように感じます。
2023年で東日本大震災から12年、決して忘れてはならない出来事であったからこそ、こういった巡礼地として各地を訪れてこれからも語り継いでいくことが大切なのだと思いました。
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曹洞宗 龍昌寺
住所:〒979-2702 福島県相馬郡新地町谷地小屋閏崎27(地図)
東北お遍路プロジェクト
WEB:https://touhoku-ohenro.jp/
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