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2023/03/22
相馬市原釜に鎮座する「津神社」にやってまいりました。
東日本大震災の記憶を語り継ぐ「東北お遍路プロジェクト」のスポットにもなっている神社です。
地元では「津の水はん」と呼ばれて親しまれており、春には例大祭「春祭り」で町内を神輿が練り歩き、伝統の神楽や剣舞などが奉納され、人々は「港の守護神」に、漁の安全や豊漁、家族の幸せを祈願しています。
海岸から見上げるような形で小高い丘の上にあり、下からは境内の大木が見えるだけとなっている津神社。
急な坂道を上がって角を曲がるとやっと社があることがわかります。
実は、津神社には日本の平安時代に編纂された歴史書「日本三代実録」に記述された貞観津波、また慶長津波の際も津波が神社のすぐ近くまで迫りながら被害を免れた伝承がありました。
その伝承をご存知だったのか、普段から「津波が来たら津の水はんまで逃げろ」と地元の年配の方から聞かされていた住民も多く、結果として今回の東日本大震災でも津神社へ避難されたたくさんの方が無事だったといいます。
実際に市が設定している津波の避難場所にもなっています。
東日本大震災の時に押し寄せた津波は、ガレキとともに神社の高台の真下まで押寄せ、海水は急坂を遡って石段まで達していました。
住民の約100名が命からがら境内へ避難し助かった一方で、残念ながら下の浜では逃げ遅れた200余名の尊い命が失われました。
神社の鳥居のそばには、東日本大震災の慰霊碑が建っています。
幾度となくその地域に住む方たちの命を救ってきた津神社。
そこには様々な思いがあると思われます。
「津波が来たら津の水はんまで逃げろ」
この言葉の重みがひしひしと伝わってきます。
津波の様子を見に行くのではなく、とにかく高いところへ逃げるんだということを。
鎮魂の祈りとともに。
願わくばもうこのような津波が来ないことを切に願います。
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津神社
住所:〒976-0021 福島県相馬市原釜大津239(地図)
東北お遍路プロジェクト
WEB:https://touhoku-ohenro.jp/
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