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2023/03/22
相馬市磯部地区に鎮座する「稲荷神社[寄木神社]」にやってまいりました。
東日本大震災の記憶を語り継ぐ「東北お遍路プロジェクト」のスポットにもなっている神社です。
寄木神社には「寄木明神」が祀られています。
暦応2年(1339 年)、太平洋の大海原と松川浦を隔てた長い砂州の南端にある磯部でのお話です。
平家の落ち武者が寺島と名を変えて、漁師となり、宮城県石巻を経て、磯部へ移り住みます。
ある日、6代目寺島与五作が漁をしているときに古木が網にかかります。
その木は海へ捨てたのですが、何度も網にかかるので引き上げることにします。
するとその夜、浜辺一帯が光り輝いて寺島与五作に不思議な神のお告げがありました。
そしてこの古木を厨子に納めて御神木としたのが、寄木明神の由来です。
その後、磯部最古の稲荷神社がこの寄木神社に合祀しますが、大浜一帯が大火に見舞われたため、社殿は海を一望できる高い丘の上に再建され、現在に至ります。
境内には、九曜紋の入った社殿などがあります。
寄木神社のある高台に住んでいた住民は、先祖代々「津波が来たらお明神様に逃げろ!」と聞かされていたそうです。
東日本大震災の際は、明神様をまたいで助かった人と波にのまれた人とに分かれてしまいました。
一回目、二回目の波が堤防ギリギリまで上がり、三回目の黒い泥波が一息に350軒あった磯部集落をすべて飲み込みました。
神社のお祭りの道具もおおかた流されてしまい、獅子頭だけが竹藪に引っ掛かり流されずに済んだそうです。
鳥居前からは、海が見えます。
また、津波到達高の印もありました。
とても高い位置まで来たことがわかります。
昔の人々の経験や体験に基づいた言い伝えや習わしというものは、各地にいくつも存在しています。
今回、住民がきいていた「津波がきたらお明神様に逃げろ!」という言葉。
津波から命を守った寄木明神様の存在とともに、これからも語り継いでいきたいものです。
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稲荷神社 寄木神社
住所:〒979-2501 福島県相馬市磯部台畑124(地図)
東北お遍路プロジェクト
WEB:https://touhoku-ohenro.jp/
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