浪江町営大平山霊園に行ってまいりました。
高台に位置する霊園で、敷地内には東日本大震災の慰霊碑が建立されています。
少しずつ復興が進んでいる浪江町の漁港と東日本大震災の爪痕が残ったままの請戸小学校など、今の請戸地区を一望することができる地です。
また、初日の出の絶景ポイントにもなっています。
敷地内には、2019年に浪江町役場の向かいにイオン浪江店ができた際に寄贈されたキンモクセイが植えられています。
そしてもうひとつ、「宇宙桜」の木も植えられています。
2008年にとあるプロジェクトで巨桜の種が宇宙へと飛び立ち、2009年に地上へ帰還しました。
なかでも日本最古、2000年の樹齢を誇る山梨県北社市の山高神代桜の種も、宇宙に120粒ほど飛び立っていたとのこと。
しかし、帰還した種のうち無事発芽して宇宙桜として育ったのはたったの2粒。
そんななか生まれ育った宇宙桜2世が、山梨県北社市のご厚意で2018年に寄贈、この地に植樹されました。
非常に希少なものであるため柵で囲われていますが、間近で見ることができます。
さて、それではメインの方も紹介していきます。
この霊園のすぐ目の前を流れる水路に、絶滅危惧種とされる"ミズアオイ"という花が咲いているという情報を聞き、やってきました。
ミズアオイは淡水で育つ水生植物で、かつては日本中の田んぼや沼地で見られましたが、最近は除草剤の使用などで数が減り、今では国の準絶滅危惧種に指定されており、県のレッドデータブックでも絶滅危惧2類に指定されています。
ちなみに「ナギ(菜葱)」や「ミズナギ」という別名でも呼ばれることもあります。こちらの呼び方の方がピンと来る方もいるかもしれません。
さっそく水路を見てみると...かわいらしい特徴的な紫の花を咲かせるミズアオイが元気にお出迎えしてくれました。
それにしてもすごい、水路の中に群生するミズアオイの数に驚きました。
希少な花としてのイメージが強かったミズアオイがなぜここまで群生しているのか。
これは、東日本大震災時の津波によって地盤の沈降や浸食の影響を受けて地中深くに眠っていた種子が発芽したと考えられています。
津波跡地で力強く花を咲かせるミズアオイからは自然の力強さを感じられます。
その稀有なエピソードも相まってか、「再生の使者」とも呼ばれているのだとか。
コチラに群生するミズアオイは、9月中旬辺りまで楽しめるかと思います。
ぜひご覧になってみてはいかがでしょうか。
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浪江町営大平山霊園
住所:〒979-1522...