【南相馬市小高区】大悲山観音堂の石仏/大杉...
2020/07/13
福島県南相馬市小高区の泉沢にある大悲山の石仏。
薬師堂石仏・阿弥陀堂石仏・観音堂石仏の3か所にある石仏群を総称して
「大悲山の石仏」と呼んでいます。
また、崖を削って掘られたこの石仏は『磨崖仏(まがいぶつ)』と呼称されています。
磨崖仏は各地で確認できますが、基本的には単体で存在するに留まっています。
そんな磨崖仏が複数集まっている状態にある石仏群は全国でも数が少なく、大悲山の石仏は貴重な石仏群として
栃木県の「大谷磨崖仏(おおやまがいぶつ)」
大分県の「臼杵磨崖仏(うすきまがいぶつ)」
に並んで
『日本三大磨崖仏』
と呼ばれています。
早速、その石仏を見てみましょう。
こちらは観音堂石仏です。
薬師堂石仏と阿弥陀堂石仏の二か所の石仏は、ほぼ同じ敷地にありますが、
この観音堂石仏のみ少し離れたところにあります。
お堂の中には、状態はあまりよくないですが、十一面千手観音坐像が掘り出されています。
こちらは阿弥陀堂石仏です。
参道までの階段は結構急ですので、登られる際はお気をつけて。
階段の上にチラッと見える建物がお堂です。
こちらが阿弥陀堂石仏のお堂になります。
お堂の中にあるのは阿弥陀仏なのですが、先ほど紹介した観音堂石仏よりも状態は悪く、
現在は仏像と思われる芯の部を残すのみで、形がほとんどわからない状態となっています。
お堂の前には夫婦杉が生えています。二つに分かれた枝で支えている姿はとても立派です。
観音堂石仏と薬師堂石仏は同じ敷地内にあり、参道を通って移動できます。
こちらは薬師堂石仏です。大悲山の石仏の中で最も保存状態が良いです。現在、石仏の保存状態維持のため、
堂内にある石仏は窓ガラス越しでの鑑賞となっています。
薬師堂のすぐ前には、樹齢千年を超える大木「大悲山の大杉」がそびえ立っています。
福島県の天然記念物にも指定されており、その立派な佇まいに圧倒されます。
薬師堂の階段を降りると、向かい側に蛇/竜の絵が大きく描かれた壁面があります。
ここでは、小高地区に古くから伝わる大悲山大蛇物語の内容を絵で視覚的に楽しむことができます。
また、その周辺には綺麗な彩りの紫陽花が咲いています。
静かな空間で見る紫陽花はとても穏やかで、心安らぎます。
さらに奥まで進むと、大悲山大蛇物語にまつわる名所が点在する蛇巻山という小高い山があります。
山頂まで登ると山津見神社鎮座の碑をみることができます。
大蛇物語の名所を巡るもよし、石仏を巡るもよし、綺麗な植物をみて周るもよし...ゆったり楽しめます。
大悲山の紫陽花は、敷地内の雰囲気も相まって相双地区の中でも有数の名所だと思います。
年中綺麗な植物が咲く大悲山。秋には素敵な紅葉を見せてくれるであろう
モミジやイチョウが今から楽しみです。
時期的にはもう少し紫陽花を楽しめると思います。(2020年7月11日現在)
ぜひ足を運んでみてはいかがでしょうか。
◆小高観光協会...